来週の東京外国為替市場見通し=トランプ米政権の相互関税、米5月雇用統計に注目
予想レンジ:1ドル=142円00銭-146円20銭
5月26-30日のドル・円は上昇した。週初26日はトランプ米政権による対欧州関税の発動を延期するとの発表を受け、投資家心理が改善、ドル・円は上昇した。27日は日銀の植田和男総裁が経済や物価情勢に応じて政策金利を引き上げると述べたことからドル売り・円買いが優勢となった。その後、財務省が超長期債の発行額の減額を検討しているとの報道を受けて長期金利が急低下、ドル買い・円売りが加速した。28日は、日本の40年国債入札が低調な結果となり、ドル・円の重しとなった。29日は米国際貿易裁判所によるトランプ関税の一部差し止め命令を受けて、投資家心理が改善し、ドル・円は急騰した。ただ、その後の米経済指標の軟調な結果やトランプ大統領による利下げ要求なども重しになり、ドル・円は下押しした。
6月2日の週のドル・円は上値の重い展開か。米国際貿易裁判所がトランプ米大統領の相互関税を違法として差し止めを命じたが、連邦高等裁判所がその効力を一時停止する判断を下すなど、関税の動向には不透明感が強まっている。また、6日発表の米5月雇用統計では、相互関税の影響を見極めたいとの心理も働く。
米経済指標では、5月ISM(供給管理者協会)製造業景況感指数、5月ISM非製造業景況感指数、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、4月貿易収支などが発表予定。
ドル・円の下値メドは、何度か下げ止まりを見せている1ドル=142円ちょうど。上値メドは直近高値の146円20銭近辺。
提供:ウエルスアドバイザー社
ウエルスアドバイザー
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最終更新:5/30(金) 16:15