「効率的に利益を稼ぐ」銘柄トップ50、厳選された500企業から高ROE企業を絞り込み!上位に新規上場株が複数ランクイン
(本記事は「会社四季報オンライン」でも配信しています)
6月18日に発売となった『会社四季報プロ500』2025年夏号では、国内で上場している約3900社の中から、株価や業績面で有望だと考えられる500銘柄を厳選して掲載している。有望企業500社を厳選した中でも、とりわけROE(自己資本利益率)が高い企業をランキングでまとめた。
ROEは、当期純利益を自己資本で割って算出する指標だ。株主が出資した資金を活用して企業がどれだけの純利益を稼ぎ出すかを示し、数値が高いほど、株主視点での経営の効率性が高いといわれる。海外勢に代表される機関投資家は、投資先を選定する際の企業評価で、特にROEを重視しているとされる。
機関投資家の買いが入った銘柄は、株価の継続的な上昇を期待できるため、高ROE企業を押さえておくのは重要なことだろう。また、個人投資家からしても、株主から調達した資金を高効率で活用してくれる企業を投資先に選ぶのが合理的だ。ROEが10%を超えていれば、おおむね経営効率のよい企業との評価が可能とされるところ、ランキングに登場する企業はいずれも25%超のROEを誇る。
■トップは新規上場した美容関連企業
『会社四季報プロ500』2025年夏号に掲載した500社で、トップになったのはスキンケア商品や美容家電などの企画・開発・販売を柱とするAiロボティクス(247A)で、今期の予想ROEは99.7%となった。化粧品の「ユンス」で新製品効果が出て、通販の定期購入をする客数が拡大。ドライヤーや美顔器などの美容家電「ブライト」も堅調だ。
四季報予想の2026年3月期純利益は、前期比93.8%増の33億円としており、純利益の急拡大によって、今期予想ROEは前期実績の76.8%から22.9ポイント向上する見通しだ。2024年9月に上場したばかりで、株価は成長期待を織り込みながら昨年末から右肩上がりで推移。足元の高成長がどこまで持続するかが注目されている。
2位のGMO TECH(6026)の今期予想ROEは62.9%。グーグルマップなど地図検索エンジンの最適化を行うMEOやアフィリエイト広告などの集客支援事業を柱とし、不動産賃貸手続きの契約電子化など不動産テック事業も育成している。
2025年12月期はアフィリエイトで前期の大型案件失注が影響し、最終減益見通し。ROEも前期比で3.0ポイント低下するものの、依然高水準を維持している。今後は、口コミサイト「エキテン」を展開するデザインワン・ジャパン(6048)との経営統合で9月29日に上場廃止、持ち株会社が10月1日に上場する。
■スマホゲーム会社は大型新作に期待
4位のバンク・オブ・イノベーション(4393)にも注目したい。2025年9月期の予想ROEが58.7%と、前期の22.0%から36.7ポイントも向上する見通しだ。その背景にあるのは、業績の急反発。主力のRPG「メメントモリ」に続く、新作大型RPGを投入予定で、四季報予想では2025年9月期の純利益は前期比3.2倍の29億円を見込んでいる。業績への期待感から、株価も上昇基調だ。
そのほか、5位には2021年上場でITインフラストラクチャー分野に特化し、コンサルや保守運用を展開するボードルア(4413)、8位にはスキマバイトサービスで2024年7月上場のタイミー(215A)、独立系SIで2024年6月上場の豆蔵デジタルホールディングス(202A)など、上位には近年IPO(新規株式公開)の企業が目立った。上場直後からしっかりと利益を出しつつ成長し、効率的な経営ができている企業は、株価面での評価もついてきやすい。
『会社四季報プロ500』2025年夏号では、編集部がピックアップした500銘柄について「高ROE」のほかにも、本業の儲けを示す営業利益の増加に勢いがある企業の「営業増益率」、株主還元拡大の期待にもつながる「純利益増加率」などのランキングも掲載している。こちらも銘柄探しの参考にしてほしい。
(『会社四季報プロ500』編集長)
東洋経済オンライン
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最終更新:6/21(土) 17:02